空き家の賃貸活用に新たな融資制度? 国交省が創設を検討
公開日:2026/09/29
「相続した空き家をどうしよう」
「古い家だけど、売れる?」
空き家を所有している方の中には、このような悩みを抱えている方もおられるのではないでしょうか。
近年、空き家については、単に取り壊すだけではなく、既存の住宅ストックを活用し、賃貸などを通じて流通させていく取り組みも進められています。
そんななか、国土交通省の令和9年度(2027年度)住宅局関係予算の概算要求には、既存の住宅ストックを活用した賃貸住宅向けの新たな融資制度の創設が盛り込まれました。
今回は、この制度について現時点で分かっていることと、空き家活用のこれからについてご紹介します。
国が「既存住宅を賃貸として活用する」ための融資制度を検討
8月下旬に財務省に提出された、国土交通省の「令和9年度住宅局関係予算概算要求概要」には、「住宅ストックを活用した賃貸住宅融資制度」の創設について記載がありました。
資料によると、住宅金融支援機構においてこの制度を創設し、
・空き家のサブリース事業
・比較的良い状態の空き家を賃貸流通させる取り組み
などを、金融面から支援するとされています。
背景には、空き家や公的賃貸住宅などの既存ストックをリフォームして、賃貸住宅として活用する取り組みが始まっている一方で、事業の立ち上げや継続に必要な資金調達が課題となっていることがあります。
また、この資料では、さまざまな住宅ストックを賃貸住宅として活用する新たなソーシャルビジネスを、金融面から支援し、その普及・定着を図ることも示されています。
資料を見る限り、今回の制度は、空き家を改修して自分で住むための融資というより、既存の住宅を活用して賃貸住宅として流通させる取り組みを、金融面から支えるものとして検討されているようです。
この制度はまだ決定ではありません
ここで注意したいのが、今回の制度は現時点ではまだ概算要求の段階だということです。
今後、財務省による査定などを経て政府予算案がまとめられ、閣議決定、通常国会での審議を経て、最終的な予算が決まっていく流れになります。
そのため、現時点では、
・どのような人・事業者が利用できるのか
・対象となる住宅の条件
・融資額や金利
・融資期間などの具体的な融資条件
といった詳細は、まだ明らかになっていません。
今後、予算の決定や制度設計がどのように進んでいくのか、引き続き注目されるところです。
なお、概算要求資料に記載されている「21億円」については、今回の融資制度そのものの融資総額ではありません。「住宅金融支援機構への出資金21億円の内数」とされているため、今回の制度に21億円すべてが充てられるという意味ではない点にも注意が必要です。
空き家対策は「取り壊す」だけではなく「活用する」方向へ
ところで、今回の国土交通省の概算要求資料を見ていると、もう一つ気になる言葉があります。
それが、「既存ストックの有効活用と流通市場の形成」です。
資料では、空き家のサブリース事業や比較的状態の良い空き家を賃貸流通させる取り組みなどを促進し、賃貸を含めた多様な住宅ストックの活用を進める方向性が示されています。
空き家というと、
「売る」 「解体する」
といった選択肢がまず思い浮かぶ方も多いかもしれません。もちろん、建物の状態や立地などによっては、売却や解体が適しているケースもあります。
一方で、まだ活用できる住宅であれば、必要なリフォームを行い、次に住む人へつなげていくという方法もあります。
今回の制度検討は、こうした「今ある住宅をどう活かし、次の利用につなげるか」という流れの一つとして見ることができそうです。
空き家には、それぞれに合った活用方法があります
では、長く人が住まず、そのままになっている空き家が、すべてリフォームして賃貸として活用できるのでしょうか。
もちろんそうとは限りません。
建物の状態や立地、間取り、周辺環境、賃貸需要などによって、必要となる工事や活用方法は変わります。
場合によっては、リフォームして使うよりも、建物を解体して新たな建物を建てるほうが適しているケースもあります。
大切なのは、「この家をどうするか」だけではなく、
「この家にはどのような使い方が合っているのか」
という視点なのかもしれません。
たとえば、空き家を再生して賃貸住宅として活用する場合でも、単にきれいにするだけではなく、建物の状態や周辺環境、必要となる工事、そしてその地域でどのような住まいが求められているのかなどを調査・検討しまず考え、対応していく必要があります。
建設若菜では、10年以上前から空き家の再生に取り組んでいます
今回、国土交通省の資料を調べていて、私たち建設若菜がこれまで取り組んできたことと重なる部分を感じました。
当社では、10年以上前から、空き家や築年数の経過した戸建住宅などの再生・賃貸活用に取り組んでいます。
顧客大家様が購入された空き家について、建物の状態や立地、周辺環境などを確認しながら、必要なリフォームを行い、入居者募集から賃貸管理まで携わっています。
また、自社で購入する場合もあり、リフォームしたうえで賃貸物件として活用したり、実際に住む方向けの物件として販売することもあります。
すべてを新しくするのではなく、その物件に合った改修を
空き家のリフォームというと、「古い家をきれいにして、新しく生まれ変わらせる」というイメージがあるかもしれません。
しかし、実際の空き家再生では、どこまで工事をするのかという判断がとても重要です。
物件の購入価格や工事にかかる費用、その地域で見込める家賃などを考慮しながら、その物件にとって必要な工事と、費用をかける効果のバランスを見極めていく必要があります。
もちろん、安全性や建物を使用するうえで欠かせない工事は優先して行います。すべてを新築同様にするのではなく、物件の特性や目指す賃貸条件などに応じて、どこに費用をかけ、どこを抑えるのかを考える。
そこには、建設の知識・経験だけでなく、不動産としての価値や、その物件に合った賃貸条件を考える視点も必要になります。
建設若菜では、これまでに、こうしたさまざまな条件を勘案しながら、400軒以上の空き家を、再び人が暮らす住まいとして活用する事業を進めています。
古い家だからといって、必ずしも「使えない」とは限りません。
「この物件をどのようにして、次の利用につなげていくか」一つひとつの物件と向き合いながら、その家に合った方法を考え、その物件にとっての最適解を探っていきます。
空き家は「持っているだけ」から、動かしていく時代へ
空き家の今後を考えるとき、選択肢は一つではありません。
・売却する
・リフォームして賃貸する
・別の用途に活用する
・建物を解体して土地として利用する
その建物の状態や立地、所有者の事情によって、適した方法はそれぞれ異なります。
空き家を「持っているだけ」にせず、
次に住む人へ、次の使い方へ、動かしていく。
これからの空き家対策では、そんな視点もますます大切になっていくのではないでしょうか。
建設若菜では、空き家や築古戸建のリフォーム・賃貸活用・賃貸管理などについて、これまでの経験をもとにお手伝いしています。
「所有している空き家をどうしたらいいか分からない」
「リフォームして賃貸にできるのか相談したい」
そんなときには、お気軽にご相談ください。
ご紹介した融資制度についても、今後新たな動きがあった場合には、続報でご紹介したいと思います。
監修者情報
代表 中村 康平(なかむら こうへい)
私たち「建設若菜」は、空き家の不動産投資に焦点を当て、家を通じて社会への貢献を目指しています。相互扶助の精神を大切にし、お客様の空き家に関する課題に真摯に向き合い、最適な提案を行います。物件に関するご相談がありましたらお気軽にお問い合わせください。
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