空き家見学ツアーレポートvol.8

空き家見学ツアーレポートvol.8

公開日:2026/03/12

ー再建築不可から大正築まで。9物件を巡るー

▼これまでのツアーレポートはこちら(ツアーレポート一覧ページリンク)

 

空き家は、写真や資料だけでは本当の状態や可能性がなかなか見えてきません。実際に現地に立つと、建物の印象や周辺環境、再生の現実味がぐっと具体的になります。そんな“現場だから分かる感覚”を体験できるのが、当社の空き家見学ツアーです。

 

当社の空き家見学ツアーは、ほぼ毎月開催しており、毎回さまざまな物件を実際に見て回ります。2025年は1月と8月を除き9回実施し、12月はセミナーと懇親会を開催。継続して学びと交流の場をつくってきました。

今回は、その2025年最後に実施した見学ツアーの様子をお届けします。

 

当日は参加者のみなさんとともに、工事中の物件を含め複数の空き家を巡りました。それぞれに状態や条件が異なり、再生の考え方も変わってきます。では今回のツアーで訪れた物件を順にご紹介していきます。

 

当日は参加者のみなさんと事務所に集合し、車に分乗して見学へ出発。

道中は物件の話や近況報告などで盛り上がり、和やかな雰囲気のまま最初の現地に到着しました。

 

1軒目 長田区・築60年超の連棟2戸

 

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最初に見学したのは、長田区二葉町にある昭和34年築の連棟住宅。
車の通る道から一歩入った、地域の暮らしが感じられる落ち着いた住宅エリアにあります。

外観から受ける印象よりも、中に入ってみると「思っていたよりしっかりしているな」というのが率直な感想でした。
気になる点は老朽化したベランダと、室内に残る残置物くらい。
ただ、経験豊富な大家さんたちは、当社のリフォーム案を簡単に説明すると、目の前の状態からリフォーム後の姿をすぐに思い描けている様子でした。

空き家見学ツアーレポートvol.8

当社の見学ツアーでは、事前に物件価格・概算工事費・想定賃料をお伝えし、参考として想定利回りも共有しています。
この物件の想定利回りは 13.01%。数字としては、なかなか魅力的な水準です。

この連棟住宅では、隣の棟については広さや構造、工事費用などを踏まえ、住居ではなく倉庫などでの活用をご提案しています。

 

 

 

 

空き家・古家の再生では、物件価格やリフォーム工事費以外にも、こうした追加費用が発生するケースがあります。
当社では、そのあたりも含めて分かりやすくご説明しています。

 

 

 

 

2軒目 垂水区塩屋・築50年の戸建て

 

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築50年の木造2階建て戸建て。現地に到着してまず感じたのは、「築年数のわりに、まだまだしっかりしている」という印象でした。

親御さんが住まれており、退去後に売却に出されたとのこと。
室内には昭和の暮らしの面影がそのまま残っていますが、建物自体の傷みは少なく、少し手を入れればすぐに生活できそうな状態です。

想定される工事は、内装と水回りの更新を中心に約440万円。
想定利回りは約10.5%と試算されています。

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水回りや内装を整えれば、昭和の住まいはぐっと現代的な空間に生まれ変わります。再生のイメージが描きやすいのではないでしょうか。

実はこの物件の隣家も、当社がリフォームを手がけ、現在は賃貸管理をお任せいただいている大家様の所有物件です。

”空き家の取得から再生工事、そして賃貸管理まで”
ツアーでは、こうした実例を通じて“再生後の姿”も具体的にイメージしていただけるようご案内しています。

 

 

 

 

3軒目 北区鈴蘭台西町 再建築不可戸建て

 

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道路から数段の階段を上がった先にある戸建て。
この階段部分も敷地に含まれていますが、接道が2mにわずかに届かず、再建築不可という扱いになります。

一見すると制約に思える条件ですが、その分価格は抑えられる傾向があり、活用方法次第では十分に再生の可能性があります。


ツアーでは、こうした条件をどう読み解くかという視点も共有されていました。

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細いアプローチを進んだ先に玄関があります。
立地や動線を実際に体感することで、どのような使い方が現実的かを具体的に想像できます。

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昭和46年築の戸建てで、先ほど見学した物件と同世代の住宅。
間取りや段差には当時の住まいの特徴が残っています。

空き家期間の影響で多少の傷みは見られますが、再生を前提とすれば十分検討できる状態です。
想定工事費は約495万円、想定利回りは約13.1%と試算されています。

 

 

 

 

 

4軒目 北区鈴蘭台東町・再生の現場が見える工事中物件

 

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小休憩を挟み、次に訪れたのは現在リフォーム工事中のテラスハウス。
当社のお客様が所有する物件で、1軒は完成間近、もう1軒は施工の真っ最中でした。

ツアーでは空き家だけでなく、こうした再生の途中段階も見学ルートに含めています。


”購入 → 改修 → 賃貸活用”という流れを現場で実感できるのが、このツアーならではの特徴です。

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この物件は、猫と安心して暮らせる賃貸住宅「Necosum(ねこすむ)」仕様。立地や規模に合わせて機能を凝縮したmini版です。

窓際の猫用棚板やペットドア、機能性クロスや床材、ペット用シンク設置など細部にも工夫があり、空き家再生に新しい付加価値を与える好例です。

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完成に向けて工事が進む室内では、再生後の暮らしが具体的にイメージできます。庭部分には猫が安全に動き回れるスペースの整備も予定されているとのこと。

購入対象ではありませんが、こうした再生物件を見学できること自体が、ツアーの大きな学びになります。

 

 

 

 

5軒目 北区鈴蘭台東町・区分所有物件

 

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前の物件からほど近い、坂道の途中に建つマンションの一室を見学しました。築39年ながら、アプローチや門扉など共用部分には落ち着いた品のある雰囲気があります。

専用庭付きの3LDKで、和室の掘りごたつなど、当時のこだわりを感じる造りも印象的でした。

空き家見学ツアーレポートvol.8

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現況は和室中心の間取りですが、一部を洋室へ変更し、キッチンや給湯設備を更新すれば、十分に賃貸として活用できる見込みとのこと。
現地で説明を聞きながら、再生後の姿を具体的に思い描くことができました。

一方で区分所有物件は、管理費や修繕積立金といったランニングコストも発生します。
参加者の皆さんは、その点も含めて収支を冷静に検討されている様子でした。

 

 

 

6軒目 須磨区妙法寺・用途を考える店舗付き戸建て

 

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次に見学したのは、1階が店舗、2階が住居スペースという特徴的な戸建て。以前は喫茶店として使われていたようで、店内には当時の設備が残っていました。

空き家の中には、このように用途が限定される物件もあります。

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2階には和室が3部屋ありますが、水回りは1階と共用のため、住居としての活用は厳しく、居室や倉庫としてなど、用途の工夫が必要のようです。

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角地で視認性の高い立地という強みはあるものの、活用方法についてはみなさん慎重に検討している様子でした。

 

当社からは、店舗利用に加え看板収益といった可能性もお示しし、用途の広げ方を考える物件となりました。

 

 

 

 

7軒目 長田区長者町・築古テラスハウス

 

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次に訪れたのは、坂道沿いに昔ながらの住宅が並ぶ落ち着いたエリア。
細い路地を抜けた先に、築60年超の3軒連棟テラスハウスが建っています。目当ては中央の一戸。

玄関の高い上がり框など、今ではあまり見かけない造りに思わず驚かされます。

室内は築年数相応の雰囲気ですが、雨漏りの心配はないとのことで、再生の方向性は描きやすそうな印象でした。

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見学中には、築古物件ならではの資金計画の話題も出ました。

ベテランの大家さんがたはよく御存知でしたが、一般的に、古い物件は購入資金の融資が難しいケースもある一方で、改修工事費については条件次第で融資対象となることがあるそうです。


そのため、取得と改修を合わせた資金計画が重要になります。

ツアーでは、こうした実務的な情報も分かりやすくご提供しています。

(※融資条件は金融機関や個人の状況によって異なります)

 

 

 

8軒目 長田区・共同住宅+戸建て

 

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長田神社のそばを通り、次に向かったのは一筆の敷地に共同住宅2棟と戸建てが建つスケールの大きな物件。

思わず「広い…」と声が出るほどの敷地面積です。

共同住宅は合わせて15室あり、現在も入居中の部屋があるとのこと。
築30年以上が経過しているため、修繕が必要な箇所も見受けられました。

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空き室を見学する中で、参加者の反応もさまざまでした。
全体像を把握しながら短時間で判断する方もいれば、室内細部を確認し改修費を具体的に試算しながら検討する姿も。

 

その場で可能性を整理し、活用の方向性を考える様子から、大家さんによって注目ポイントが違っており興味深かったです。

 

 

 

 

 

9軒目 兵庫区雪御所・大正築テラスの現在地

 

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予定していた見学を一部調整し、ツアー最後に訪れたのは兵庫区にある大正時代築のテラスハウス。冬の日暮れが早く、辺りが暗くなり始めた中での見学となりました。

 

昭和40年に増築された建物で、「大正築」と聞くと構えてしまいますが、外観からは想像がつかないほど内部は現役感がありました。

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室内に入ると、築年数を感じさせない状態に驚きました。

最近まで居住されていたとのことで、床の沈み込みもなく、階段の勾配には時代を感じる部分もありましたが、極端な古さは見受けられませんでした。

想定工事費は約660万円、想定利回りは約11.55%と試算されています。

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この物件の近くには、当社が実需向けにリフォームしたテラスハウスもあり、あわせて見学しました。

 

用途に応じて改修の方向性や予算が大きく変わることを比較できる機会となり、空き家再生の幅を実感できる締めくくりでした。

 

 

 

ツアーを終えて — 購入希望の決定タイム

 

すっかり日が暮れた17時半ごろ、事務所へ戻ってきました。出発から約5時間。参加されたみなさま、本当にお疲れさまでした。

ひと息つく間もなく始まるのが、毎回恒例の「購入希望の確認タイム」です。

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見学した物件を順番に読み上げ、購入を希望される方に挙手していただきます。1軒目から複数の手が挙がる場面もあり、その場合は恒例のクジ引きで決定します。

購入を検討する時間は、物件を見学している時間や移動中の車内など、限られています。最後まで悩まれる方に、周囲のベテラン大家さんからアドバイスが飛ぶ場面もあり、現場ならではの熱量が感じられました。

複数希望で抽選になった物件、即決で決まった物件、今回は見送りになった物件…。それぞれの判断を経て、今回の空き家見学ツアーも無事終了です。

 

 

 

 

おわりに — 空き家再生の第一歩として

 

今回も、坂道の先や細い路地の奥に、それぞれに個性のある空き家との出会いがありました。

再建築不可物件や築大正期のテラスハウスなど、一見すると難しそうに思える物件にも、
再生の可能性は確かに存在しています。

現地で実際に見て、感じて、その場で方向性を考える。このツアーが、空き家の新たな価値に気づくきっかけになっていれば嬉しく思います。

2026年も引き続き、建設若菜では、多くの物件とみなさまをつなぐ場をつくって行きたいです

 

初めての方も、ぜひお気軽にツアーにご参加ください。

ツアー参加は少しハードルが高い…という方は、

まずはご相談だけでもお待ちしております。